商業施設の給湯用太陽熱

中規模商業施設の給湯用太陽熱利用 概要設計用参考資料

500平米の屋根で太陽熱を検討したいのですが、計算は?

建築から例えば:
太陽熱面積 水平 500m2

場所から自然条件:
東京では11月、12月は太陽が一番少ないので、その期間での計算しましょう。

東京地域 気象データ 全天日射量 11月、12月 約12MJ/m2*d
(自然がくれる一日あたり、一平米当たり、平均の太陽エネルギーです)

平均最低出力139W/m2 合計 年間換算 エネルギー 608MWh
(MJ メガジュール = 1000000Ws ワット秒 = 1000000/3600 Wh ワットアワー = 278Wh 12MJ/m2*d = 3333Wh/m2*d , *500m2, *365d = 608MWh)

最大どのぐらい熱くなりますか?

最大瞬間出力1kW/m2 合計 瞬間 500kW
 「1平米あたり1キロワット」は太陽からの贈り物です。

太陽熱パネルの最大出力は下流接続機器の処理能力の下限です。

それでどのぐらい石油節約できますか?

太陽熱利用による有効熱量環境効果:
石油燃焼換算 41MJ/kg = 11.4kWh/kg = 10.3kWh/l

年間石油換算 608*10E3kWh / 10.3kWh l = 59kl 石油節約

年間CO2排出換算  4.27ton C

500m2の太陽熱利用で大型タンクロリー二台分ぐらいです。 収穫可能な太陽エネルギーを全部有効に利用できれば、さらに増えます。

どのぐらいのお湯ができるの?

有効熱量 給湯効果:
(熱回収なし計算、最低月平均ベース)

温度差dt=55degC-10degC = 45K, 水の熱容量1.16Wh/kg*K , 水1kg/l 効率 40% 温水量=608MWh /45K /1.16 kg*K / Wh * 1l/kg * 0.4= 4700kl / 年間 = 13kl / 日

 冬は平均一日あたり13トンぐらい

最大日出力:
 500kW * 6h / 45K /1.16 kg*K / Wh * 1l/kg =  57kl / 日

 よく晴れる日は一日約60トン

蓄熱タンクの容量は?

真夏でも、太陽熱パネルが沸騰しないことが必要です。 蓄熱タンクは少なくとも一日分の太陽熱を受けることができなければなりません。 給湯用のタンクの温度は60度以上で考えますと、目安60度から80度まで の差分のエネルギーです。

蓄熱タンク最小容量:
 dt=80degC-60degC=20K, 最大出力対応
 500kW * 6h / 20K /1.16 kg*K / Wh * 1l/kg = 130kl

つまり、500平米の太陽熱パネルに140トンの蓄熱タンクです。 例えば商業施設で昼間でもお湯を常に利用の場合、必要容量が減ります。 悪天候でも数日間利用の場合、必要容量が増えます。




参考データ

ソーラー建築デザインガイド 新エネルギー・産行技術総合開発機構/編

気象庁データベース

自然界の物質特性データ



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