2012/8/14 200:21 (20120815 15:10 取得)
【ハノイ=伊藤学】日本政府は14日、ベトナムの原子力賠償制度の整備に協力す
る覚書を結んだ。福島第1原子力発電所の事故の経験を生かし、ベトナムで原発事
故が起きた場合の被害者救済の枠組みづくりを支援する
福島第1原子力発電所,ベトナム,枝野幸男,日立造船
政府、ベトナムの原賠制度整備に協力 覚書締結 :日本経済新聞
【ハノイ=伊藤学】日本政府は14日、ベトナムの原子力賠償制度の整備に協力する覚書を結んだ。福島第1原子力発電所の事故の経験を生かし、ベトナムで原発事故が起きた場合の被害者救済の枠組みづくりを支援する。同国初の産業廃棄物発電(ごみ発電)の実証事業を始めることや、レアアースの共同開発の加速でも合意した。
ベトナム訪問中の枝野幸男経済産業相は同日、首都ハノイ市でクアン科学技術相と会談。「日本の教訓をベトナムと共有し、原賠制度の整備に全面的に協力したい」と表明した。今後、日越両国で協議機関を発足。国家と民間保険による補償の仕組みや賠償限度額などを検討する。
ベトナムは中部ニントゥアン省で同国初の原発を2020年から稼働予定。1号機をロシア、2号機を日本が建設する。すでに原賠制度を定めているが、大型の原発事故などは想定していない。日本は制度整備を通じ、円滑な原発輸出を後押しする。
ベトナム初のごみ発電事業を支援することでも合意。同日、運営事業者の日立造船とハノイ市が正式契約を結んだ。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が16億円を支援して焼却炉を設置。日量75トンの産廃を焼却し、約4500世帯分の発電をする。
また、同国が掲げる20年の工業国化に向けて工業化戦略策定にも協力する。
11月までに電気・電子産業や造船業など、優先産業を5〜7業種に絞り込み、具体的な育成計画を立案する。クアン天然資源・環境相とも会談し、ベトナム北部でのレアアース共同開発を急ぐ方針も確認した。